mutsu062007-02-22

恋紅 皆川 博子著

遊女屋の愛娘ゆうは大勢の花魁や男衆の中で、華やかな郭の裏も表も見て育った。

ある日、芝居見物に出かけたゆうは升席にいる男を見て衝撃を受ける。

五年前、雑踏で途方にくれていたゆうを救い、優しさで包み込んでくれた

旅役者だった。一緒になれるなら滅びてもいいーーーそう心に刻んだ幼い日の記憶を頼りに、

無名の役者に縋りついていく女の情念の世界を描く直木賞受賞作。解説より。