『年の残り』 丸谷才一

六十九歳の病院長が、患者の少年との関係から回想する若き日々の情景ーー。

人生、老い、病い、死という年輪が刻みこんだ不可知の世界を、

巧緻きわまりない小説作法で、帰らざる過去と現在との交錯・対比の

内に結実させた芥川賞受賞作品。他に、「川のない街で」

「男ざかり」「思想と無思想の間」の佳作三篇を収録。